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株式会社みんかぶ様

課題
セキュリティに不安がある
通信コストを見直したい

異なる中継局を利用した 2 本の回線で、投資家向け金融情報サービスの利用者用回線を冗長化。
サービスの継続性を確保するとともに、ネットワークコストを大幅に削減

株式投資情報に特化した金融情報サイト「みんなの株式」の運営を基盤に成長を続ける株式会社みんかぶ。個人投資家をはじめ月間で約500 万人ものユーザーがアクセスする国内最大級の投資家向け金融情報サイトにとって、ネットワークの品質と可用性は欠かすことのできないビジネス要件だ。同社は2013 年12月のデータセンター移設を機に、エンドユーザー向けのサービス回線へアルテリア・ネットワークスの提供する最低帯域保証型サービス「プレミアムギガビットアクセス」を採用。1 つの契約で中継局の異なる2 つの回線を確保して耐障害性を向上するとともに、従来回線と比べて大幅なコスト削減を実現している。

お客様概要

企業名:
株式会社みんかぶ
業種:
金融・保険業(金融)

「情報の価値を具現化する仕組みの提供」を理念に2006 年7 月に設立。
2007 年4 月に個人投資家向けソーシャルメディア「みんなの株式」を立ち上げ、2009 年からはFX、商品先物など株式以外の金融情報提供サービスも開始した。
その後、2012 年には金融経済ニュース配信、IR 支援や投資助言サービスの新規事業に参入するほか、積極的なグローバル展開にも取り組む。
2014 年からは金融情報ソリューション分野に本格参入するなど、グループの事業領域は年々拡大を続けている。

導入フロー

導入のポイント

POINT1遅延や切断のない通信回線が必須

POINT22年間の運用で故障や障害はゼロ

POINT3通信インフラのコストは従来の1/5以下

システム運用イメージ

インタビュー

渡邉 力英 氏

株式会社みんかぶ
取締役 COO

川端 宏昌 氏

株式会社みんかぶ
開発部門 マネージャー

導入の背景

国内最大級の投資家向けサービス
遅延や切断のない通信回線が必須

個別銘柄に対する会員の「買い」「売り」予想をもとに注目度の高い銘柄を表示するポートフォリオや銘柄別の会員コミュニティなど、株式投資に特化した金融情報サイトとして個人投資家からの圧倒的な支持を集める「みんなの株式」。株式会社みんかぶでは、2007 年にオープンした本サービスをはじめ、その後もFX を対象とした「みんなの外為」、投資家ニーズに対応する情報提供を行う「株探(Kabutan)」など、新たなユーザーを獲得しながら順調にサービスを拡大している。
同社では、これらの金融情報サイトの開発および管理を日本国内の拠点とデータセンターで行っているが、多くのユーザーがアクセスするサービスの提供にあたり、ネットワーク回線の品質と安定性を非常に重要なビジネス要件として位置付けてきた。同社の取締役 COO を務める渡邉力英氏は次のように説明する。

「日々リアルタイムで繰り返される、株取引などの投資判断に関する情報提供を行う私たちのサービスでは、ネットワークの遅延や切断は許されません。特に国内の株式市場が開く9 時前後と閉まる15 時前後、また会社勤めの方が情報収集を行う深夜の時間帯はトラフィックがピークに達することから、それに耐えられるだけの回線の安定性を確保しておく必要があります」

データセンターの移行を機に低コストの通信回線の導入を検討

みんかぶは2013年まで、大手ベンダーのデータセンターを間借りし、ネットワークもそのベンダーと専用線を共用する形で「みんなの株式」のサービスを提供してきた。しかし、ビジネスの拡大と環境の変化により、データセンターを独立させ ることになり、通信回線も新たなインフラを用意する必要に迫られた。渡邉氏は「そ れまでの専用線はスピードも品質も高かったものの、コスト面では決して安いもの ではありませんでした。そのため、新しい通信回線ではコストの削減と品質の高さ の両立を目指しました」と振り返る。

導入の経緯

中継局を分けた 2 回線での冗長構成と6 段階から選べる上りの通信品質

大手ベンダーを含め、複数の通信サービスを比較した中から、最終的にみんかぶはSLA と24 時間365 日のオンサイトサポートを標準装備した「プレミアムギガビットアクセス」の採用を決定した。決め手となったのは、1 つの契約で中継局の異なる2 つの回線を利用できる冗長構成だったという。

「冗長性を確保するために2 回線の導入を検討していましたが、中継局が同じなら地震などでその中継局がダウンすれば2 回線とも止まってしまいます。中継局を分離できるプレミアムギガビットアクセスならば、片方がダウンしても別の中継局の回線でバックアップができるので、確実な可用性が維持できると判断しました」(渡邉氏)

また、エンドユーザー向けのサービス回線では、上り回線の通信品質が特に重要となる。上りのトラフィックに最低でも契約帯域の10%分が保証されるプレミアムギガビットアクセスは、こうした同社の要件を十分に満たすものだった。さらに、上りは100Mbps から1Gbps までの6 段階の契約帯域が用意されており、トラフィックの増加に応じてスケールアップできる点もメリットが大きい。渡邉氏は「トラフィックのピーク時や大きなニュースなどでアクセスが急増することも考慮して、最初の契約帯域を決定しました。契約帯域は必要に応じて変更できるので、この点も当社には最適なサービスでした」と強調する。

実機を利用した接続テストなど充実したサポート体制を評価

アルテリア・ネットワークスの採用を後押ししたもう1 つの理由として挙げられたのが、充実したサポート体制だ。みんかぶは2011 年にオフィスの業務用回線としてアルテリア・ネットワークスの「スタンダードギガビットアクセス」を採用した実績がある。開発部門 マネージャーの川端宏昌氏は、その後の2 年間にわたるアルテリア・ネットワークスのサポート体制が強く印象に残っていたという。

「スタンダードギガビットアクセスの導入に際しては、社内から当社の要件を満たす十分な品質が得られるか不安視する声も聞かれました。その中で、アルテリア・ネットワークスは当社内に試験環境を構築し、定量的なデータをもとに十分な品質を証明していただけたので、安心して導入することができました。今回の導入においても、前回同様の手厚いサポートをいただき、たいへん満足しています」

導入効果

2 年間の運用で故障や障害はゼロ
リッチコンテンツにも対応した通信品質

プレミアムギガビットアクセスの導入作業は、基本的な性能検証や災害時などに備えた回線の切り替えテストなどを経て、2013 年12 月に完了。2 本の回線を利用した冗長構成については1 本をアクティブ、1 本をスタンバイとし、アクティブ回線で何らかの障害が発生した際には自動的にスタンバイ回線に切り替わる設計としている。

「現時点でアクティブ回線が故障や障害で途切れたことはなく、安定した運用が行えています。別途構築しているインターネットVPN に切り替えるテストを実施する際、意図的にアクティブ回線を切断したことがありましたが、スムーズな切り替えができました」(川端氏)

導入から2 年弱が経過した現在、「みんなの株式」には動画配信などのリッチコンテンツが追加されているが、回線スピードや安定性は低下することなく、高い通信品質が維持されているという。

通信インフラのコストは従来の 1/5 以下
管理効率の向上にも貢献

プレミアムギガビットアクセスの採用がもたらしたコスト面でのメリットも非常に大きい。

「これまでは専用線であったために単純な比較は難しいですが、少なくとも1/5以下のコストに軽減されています。遅延なども発生することなく、従来と変わらない品質レベルがこのコストで維持できていることに満足しています」(渡邉氏)

また、ネットワークの管理面についても効率化されている。川端氏は「プレミアムギガビットアクセスはサービスの保守回線としても利用しており、保守時には大量ファイルのアップロードも発生します。専用線の共用利用時は、保守時に帯域を専有しないようトラフィックをモニタリングしていましたが、プレミアムギガビットアクセスの十分な品質ならこうした心配をする必要もなく、管理がしやすくなりました」と話す。

今後の活用

海外でのビジネス展開に向けてオンプレミスとクラウドの連携接続も検討

日本国内にとどまらず、サービスの世界展開に向けた戦略を加速させるみんかぶ。2012 年よりグループ会社において中国版「みんなの株式」の「財庫(Caiku)」のサービスを開始し、2015年7月には「みんなの株式」のグローバル版にあたる米、英、独、仏の4 カ国語に対応した「sharewise」をリニューアルするなど、着実に業務規模を拡大している。将来的には10 カ国語対応を目指し、取引市場の数も26 まで広げて、全世界の85%にあたる取引量を持つ市場をカバーするサービスへと進化させる計画だ。

海外向けのサービスは現在、外部のパブリッククラウドを利用して提供しているが、個人情報の管理や多面的な顧客分析などについては、セキュリティや個人情報保護の観点から、クラウドよりオンプレミスで管理することが望ましい。そこで将来的には、日本国内と海外拠点のオンプレミス環境に、パブリッククラウド環境をつなぐイーサネットインタフェースの専用線サービスの導入も検討している。「サービスの世界展開を積極的に進めていくうえで、それぞれのリージョンにあるプラットフォームの接続を、高いセキュリティレベルを維持しながら安価に実現できるサービスがあれば、私たちのビジネス基盤はさらに強固なものとなります」と渡邉氏が語るように、海外ビジネスの展開においてもアルテリア・ネットワークスの通信サービスには大きな期待が寄せられている。