導入の背景
ネットワークのコストと帯域に課題 − セキュリティや内部統制にも悩む
首都圏を中心に菓子・食品の卸売を事業展開する株式会社ハセガワ。同社はITの戦略的活用による経営強化に取り組んでいる。株式会社ハセガワ 管理本部長兼経営企画室長 田辺寿之 氏は「競争が激化するなか、企業価値をより向上するには、情報システムに対して、いかに的確な投資ができるかが重要になります」と語る。
同社の日常業務は、2002年に構築したIBM System i(AS/400)(以下、System iとする)を軸とする基幹システムが支えている。同時期に構築したネットワークは、本社とデータセンター、および8箇所の支店/営業所を結んでいる。WANには大手キャリアのIP-VPNサービス、アクセス回線には専用線を用いていたが、いくつか課題を抱えていた。
株式会社ハセガワ 本社 システム部 チーフ 海野功一 氏は「可用性や信頼性は非常に満足できます。しかし、運用コストの高さの割には、アクセス回線の帯域は最大0.5Mbpsと狭く、費用対効果の面では不満が残っていました」と振り返る。
ネットワークは帯域の狭さゆえに、基幹システムのみにしか実質利用できなかった。「SFAといった営業支援システム、ワークフローやグループウェアの必要性を強く感じていても、ネットワークの問題で導入できませんでした。そのため、売上データの分析は表計算ソフトを使って手作業で行なうなど、現場の担当者に大きな負担を強いていました」と株式会社ハセガワ 管理本部 副本部長 小澤睦哉 氏は打ち明ける。
しかも、営業担当者は出先からモバイルPCで社内ネットワークに接続できないため、在庫等の確認をいちいち電話で行っていたなど、業務効率やスピードにも支障をきたしていた。
同時に、セキュリティおよび内部統制にかかわる問題にも直面していた。田辺氏はその一例を「システムのセキュリティ管理は、Windowsのワークグループのパスワードのみでした。また、インターネット接続は各拠点のブロードバンドルータから直接行なう仕組みになっており、全く統制できていない状態でした」と挙げる。

- 田辺 寿之 氏
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株式会社ハセガワ
管理本部長兼経営企画室長

- 海野 功一 氏
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ネオアクシス株式会社
ビジネスソリューション第1事業部
営業部