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NFVを活用したサービスでWANを刷新。
少人数のシステム部門の運用負荷を低減し、ネットワーク拡張に柔軟に対応できる基盤を実現

鳴海製陶株式会社様

高級食器「ボーンチャイナ」をはじめとする高品質な陶磁器の製造販売などを手掛け、一般家庭はもちろん、世界の有名ホテルや百貨店といった幅広い市場で評価を受けている鳴海製陶株式会社(以下、鳴海製陶)。以前の社内ネットワークはファイアウォール機能を本社に集約する構成だったが、本社で障害や停電が起きた際、全社の業務がストップしてしまうというリスクを抱えていた。このリスクを回避するために、鳴海製陶はNFV(Network Functions Virtualization)技術を活用したクラウド型サービス「VANILA」を導入し、社内ネットワークを刷新。初期費用を抑えつつ、ネットワークの可用性を高め、拡張性やセキュリティも強化、今後のクラウド化に対応できる基盤をつくり上げた。
NFVはネットワーク機器やネットワーク機能をクラウドサービスとして利用でき、拠点ごとの機器購入が不要、運用の負荷・コストを低減、ネットワーク構成の変更への柔軟な対応といったメリットが得られる。

NFV 製造業 通信の品質に不満がある
導入サービス

NFV技術を活用し、当社ネットワークを経由して様々なネットワーク機能が利用可能となるクラウド型サービスです。

会社名
鳴海製陶株式会社
本社所在地
愛知県名古屋市緑区鳴海町字伝治山3番地
設立
1950年12月1日(創業 1946年2月1日)
従業員数
260名
事業内容
●食器事業部門:陶磁器テーブルウェアの企画・開発・製造・販売、取引先オリジナル商品の開発・製造(OEM)、自社デザインのライセンス提案
●産業器材事業部門:超耐熱結晶化ガラスをはじめ、工業用材料を用いた企画・開発・製造・販売
URL
https://www.narumi.co.jp/

導入の背景

本社にネットワーク障害が起きれば、全社の業務がストップするリスクがあった

鳴海製陶はかつて、名古屋市の本社や国内の事業所、データセンターなどの拠点間ネットワークを、アルテリア・ネットワークスの閉域VPNサービス「クローズドIPネットワーク」で構築。ファイアウォールを1箇所で運用するため、その機能を本社に集約していた。
2010年から鳴海製陶のシステム全般に携わる管理部門 総務部 情報システム課 課長の富野 健志 氏は、このファイアウォールに若干の不安を感じたと話す。
「ファイアウォールを1箇所で運用しているため、万が一、本社でネットワーク障害が発生した際、全拠点でインターネットや基幹システムを利用できなくなる恐れがありました。しかし当時は、老朽化し、在庫情報が不正確といった深刻な課題を抱える基幹システムのリプレイスが急務で、業務への影響が大きい社内ネットワークの刷新は先延ばしになっていました」(富野 氏)。

転機となったのは、2023年5月。本社で停電が起こり、想定していたリスクが現実のものとなった。幸い連休の最中で、全社的に業務が行われていなかったため事なきを得たが、ネットワーク構成見直しの必要性が再認識され、対応を急ぐことになった。

導入の経緯

基幹システムのリプレイスを控え、迅速に、低コストでネットワークを刷新したい

ネットワークの見直しを考えた際、富野 氏の頭に浮かんだのは、停電の約1ヵ月前にアルテリア・ネットワークスから提案を受けていた「VANILA」だ。「VANILA」は、NFV技術の活用によって、物理機器を使わずに、アルテリア・ネットワークスのネットワークに接続するだけでさまざまなネットワーク機能が利用できるようになるというもの。「VANILA」のファイアウォール機能を利用すれば、仮に本社で障害が発生しても、各拠点のネットワークは影響を受けない環境を構築できる。

鳴海製陶は、海外事業の強化に向けて、2013年にリプレイスした基幹システムを、さらなる機能の充実やLANの無線化などを含んで再リプレイスする3ヵ年計画を立てていた。そのため、ネットワークの刷新は基幹システムの再リプレイス前に、初期コストを抑えて素早く行う必要があり、設備設置や初期投資が不要な「VANILA」はその要望を満たしていた。

スモールスタートでネットワークのリスクを解消し、将来的な拡張にも柔軟に対応したい

富野 氏はアルテリア・ネットワークスに「VANILA」の導入を相談。最初に提案されたのは、各拠点も含めて回線や機器を全面的に入れ替える提案だった。しかし、できるだけ既存の機器や回線を生かしてコストを抑えたいと要望し、再提案を受けることになった。
「『VANILA』であれば、最初はスモールスタートでも、今後、クラウドサービスの利用を拡大していくと考えていた私たちの方針に合わせ、機能や帯域の拡張、冗長構成の変更などができます。この拡張性や柔軟性も魅力でした」(富野 氏)。

「VANILA」の導入時、インターネットゲートウェイを一斉に切り替えると、データセンターや基幹システムに接続トラブルが起きた際に業務が止まってしまうという懸念があった。そこで、既存の構成に「VANILA」環境を追加して、接続試験を行いながら段階的に切り替えるというアルテリア・ネットワークスの提案を採用。同時にDHCP対応も図ったが、ユーザー側での設定の一斉切り替えは混乱を招くと考え、セカンダリIPアドレスを用意して、ユーザーが各々のタイミングで切り替えるように案内した。

導入の効果

細やかなサポートで、トラブルもなく、スムーズにネットワークを刷新

「VANILA」への切り替えとDHCP対応、どちらの作業もアルテリア・ネットワークスが大半を担い、トラブルや混乱を起こすことなく完遂した。当時、産業器材事業部門に所属し、現在は管理部門 総務部 部長の村井 弘明 氏も、1ユーザーとして手順書を見ながら問題なく対応ができたと振り返る。
「こちらで必要だった作業は、社内への案内や既存回線の解約といった事務的な手続きのみで、システム担当者の負担はほとんどないように見受けられました。」(村井 氏)

「VANILA」の導入後は、本社の停電時や障害発生時であっても他の拠点のネットワークに影響しなくなり、全社的にネットワークの可用性と耐障害性が向上。本社で年1回の法定停電を実施する際にも、基幹システムのスケジュール調整が不要となった。また、VPNの接続に二要素認証を導入し、セキュリティを強化。DHCPの導入で拠点間の移動時にネットワーク設定の変更が不要になり、ユーザーの利便性が上がると同時に、接続に関する問い合わせも減少した。

今後の展開

今後のクラウド活用に耐えうるようネットワークの強化を進めていきたい

鳴海製陶は、「クラウドファースト」の方針を掲げ、基幹システムのクラウド化やMicrosoft 365サービスの利用拡大などを進めていく計画を立てている。

アルテリア・ネットワークスのサービスラインナップには、各種クラウドサービスに合わせたダイレクト接続サービスの用意がある。それらは「VANILA」の基盤上で利用でき、いつでも容易に追加できる。 また、IPS/IDS(脆弱性防御)といった現時点で利用していない「VANILA」のセキュリティ機能の追加検討を鳴海製陶は進める予定だ。

「今後は、クラウド化によってネットワークの重要性がますます高まると考えています。しかし、中小企業ではネットワーク専任の担当者を確保するのは難しい。鳴海製陶の情報システム課のメンバーは、現在、私を含めて3名です。アルテリア・ネットワークスには、WAN及びLANの状況監視やファイアウォール監視、パフォーマンスやセキュリティの改善提案などをカバーした、よりコストメリットの高いトータルソリューションの展開を期待しています」(富野 氏)。

上記は、2025年8月時点の内容です。

本サイトに掲載されている商品またはサービスなどの名称は、各社の商標または登録商標です。

担当営業コメント

鳴海製陶様が直面された課題に対する最適なソリューションとして、クラウド型サービス「VANILA」をご提案させていただきました。
「VANILA」はお客様ごとに異なる課題解決を支援するプラットフォームとしての機能を有しており、貴社の業務効率化ならびに付加価値の創出に寄与すると考えております。
アルテリア・ネットワークスの前身にあたるVECTANT時代から長年にわたりご利用いただいていることに深く感謝申し上げます。今後も引き続き、高品質サービスの継続的な提供を目指し、営業部門及び技術部門が連携して万全のサポート体制を維持してまいります。

法人事業本部 第二営業本部 中部営業部 中部営業チーム
西村 拓人