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セコムトラストシステムズ株式会社様

導入サービス
課題
セキュリティに不安がある

専用線とコアルータ・エッジルータの管理運用をセットで、データセンター間リングネットワークの構築と安定運用を実現。複数サービス向けにセキュアなネットワークを提供

セコムグループの情報通信事業の基盤となっているデータセンターサービスを運用するのがセコムトラストシステムズ。同社では、複数拠点のデータセンターをイーサネット専用線でリング接続することにより、大規模災害時にも「安全・安心」なサービスを提供できる体制を整えてきた。アルテリア・ネットワークスは、専用線サービス「ダイナイーサ」によるデータセンター間リングネットワーク構築と、コアルータ・エッジルータの管理運用を行うマネージドサービスの一体提供により、セコムグループのネットワーク基盤を支えている。

お客様概要

企業名:
セコムトラストシステムズ株式会社
業種:
情報通信業

セコムグループのシステム構築・運用で培った、「安全・安心」を24時間365日提供する技術力やサービス力を活かし、情報セキュリティと大規模災害対策を核に、情報・ネットワークサービス事業を展開する。セコムグループが掲げる「安心・便利で快適なサービスシステムをトータルで提供する、新しい社会システムづくり」のインフラとなる、データセンターおよびネットワークの運用を担い、最近はIoTのセキュリティにも注力する。

インタビュー

大橋 亮 氏

セコムトラストシステムズ株式会社
情報セキュリティサービス本部
クラウドサービス部 部長

導入の背景

複数のデータセンターを一体運用

セキュリティを中心に様々な分野で「安全・安心」なサービスを提供するセコムグループ。セコムトラストシステムズはその中の情報通信事業を担うべく、2006年にセコムグループのサイバーセキュリティ事業を手がけるセコムトラストネット(以下、旧セコムトラストネット)とセコム情報システム(以下、旧セコム情報システム)が合併して発足した。
同社はセコムグループのシステム構築運用で培ったセキュアで堅牢なネットワークを提供する技術力やサービス力を活かし、情報セキュリティと大規模災害対策等のICTサービスを展開している。ICTサービスの1つであるデータセンターは、顧客向けのデータセンターサービスや、同社が提供するクラウドサービスの基盤として利用されている。
同社では複数の場所にあるデータセンターを一体運用しているが、その要となるのがリングネットワークだ。

拠点増加にあわせてネットワークも増設

導入は3つのフェーズに分けて行われた。最初のフェーズでは、2010年に旧セコムトラストネットが提供していたデータセンター(東京第2DC)の敷地内への新館建設を期に、従来のデータセンターと、旧セコム情報システムが自社サービスの基盤として使用していたデータセンター(東京第1DC)を接続した。
第2フェーズは、2012年のセコムによるアット東京の子会社化に伴うものだ。新館完成翌年の東日本大震災やその後の計画停電をきっかけに、事業継続計画(BCP)の一環としてデータセンターに自社サーバーを預けるハウジングや、データのバックアップサービスのニーズが急増した。その一環としての体制増強により子会社化したアット東京のデータセンターを東京第2DC新館と接続した。
そして第3フェーズは大阪の新データセンターとの接続である。「大阪はディザスタリカバリー(DR)の拠点として利用しています」(セコムトラストシステムズ株式会社 大橋 亮氏) 同社が提供する大規模災害対応の「セコム安否確認サービス」「リアルタイム災害情報サービス」などは、災害時にこそ必要となるサービスだ。地震などで東京が被災してもサービスを提供できるよう、大阪でもサービスができる体制を整えた。また、東京のデータセンターで顧客から預かるデータを大阪にバックアップする「セコム電子データ保管サービス」等のサービスも提供する。
 

導入の経緯

耐障害性を確保する複数キャリア接続とマネージドサービス

接続時の要件としてセコムトラストシステムズがまず求めた要件が耐障害性だ。具体的には、足回りだけでなく基幹となるネットワーク構成についても、異なるキャリアを使用して接続することで、災害時にも止まらないことが求められた。リングネットワークというトポロジーは、どこか1箇所が切れても迂回ルートが用意されており本質的に障害に強いが、異なるキャリアを混在させる設計でより耐障害性が増す。「複数キャリアでの接続について、他社とも比較しましたが、提案内容もコストもアルテリア・ネットワークス様(当時はヴェクタント)が優れていました」(大橋氏)
また、今回の提案では、回線を提供するだけでなく、コアリングを接続するコアスイッチのマネージドサービス専用線とエッジリングに接続されるエッジスイッチの監視サービスをセットで提供している。1本のリングに複数の論理的なネットワークを載せることで、複数の顧客やサービスに対してセキュリティを確保したネットワークを提供できる。そのためのコアスイッチの設定や運用もまとめてアルテリア・ネットワークスが行っている。

短期間での構築にも問題なく対応

「最初のリングネットワーク接続は新館構築と同時並行で行っており、とにかく全てが大変でした。アルテリア・ネットワークス様には、WAN だけでなくインターネット接続なども含めてネットワーク全般をお願いしていましたが、大きなトラブルなく予定通りにカットオーバーできたのは、しっかりと事前準備を含めた対応をされていたからだと思います」(大橋氏)。
アット東京との接続はさらにスケジュールとの戦いだった。子会社化が発表されたのが2012 年9 月だったが、翌年の年明けからは顧客への提供が決まっており、年内に接続を完了させる必要があった。実際に構成を決めて構築作業を行ったのは実質わずか2ヶ月。「期間が短い上に、年末年始も挟むため休みになってしまうし、最後の確認にとても苦労しました」(大橋氏)
それでも第1 フェーズのリングネットワークを構築した経験が生きて、無事に稼働することができた。

導入の効果と今後の展開

2拠点間バックアップによるDRサービスの拡大

東京のデータセンターに加え、大阪DC もリングネットワークに加えることで、耐障害性は飛躍的に増した。コアリング回線は10Gbps×2本となっているが、「リアルタイム同期が不要なバックアップ用途での使用が多いため、十分な帯域です」(大橋氏)とする。データの2 拠点バックアップだけでなく、大規模災害時用に社内基幹システムを2 拠点間でバックアップしたり、普段東京で公開しているウェブサーバーを災害時には大阪に切り替えて公開できるようにするなど、さまざまな活用がされている。
導入後のネットワークについては「何の問題もなく動いている」(大橋氏)と評価する。「マネージドサービスについても、しっかりと設計をしていただいたおかげで、最初の稼働からはもう7 年経ちますが問題なく利用できています。ネットワークについては『何もない』ということが良い評価だと思っていますから、その点では満足しています」(大橋氏)

回線だけでなく付加価値ある提案を期待

今後もデータセンター需要は増大が見込まれる。セコムトラストシステムズでは今のところ具体的な予定はないが、将来的にはリングネットワークの増速や、継ぎ足しで構築されてきたネットワーク構成の最適化などが発生するかもしれない。「アルテリア・ネットワークス様の提案は、回線だけでなくマネージドサービスなどの付加価値があるので、回線費用にアドオンされた価格も納得感があります。今後構成見直しや増速が具体化したときも、確実に移行ができるしっかりとした移行計画を立てて、他社にはできないサービスを提供いただくことを期待しています」(大橋氏)
セコムトラストシステムズのデータセンターサービスは、データセンター事業だけでなく、セコムグループの「安全・安心」を提供するさまざまなサービスの基盤としても活用されている。グループの事業戦略を、アルテリア・ネットワークスはネットワーク基盤で支えていく。

(注)記載内容(組織名・所属・役職・サービス名等)は、すべてインタビュー時の情報です。