SHIFT様導入 PROJECT

  • 野村 浩一
    第一営業本部 営業第一部
  • 内藤 元師
    ソリューション本部
    ソリューションエンジニアリング部
    法人ソリューション第一課
  • 小室 重行
    新規事業開発部
    企画課

SHIFT様のネットワーク更改プロジェクト

プロジェクトの概要

ソフトウェアの品質保証を事業とする株式会社SHIFT(以下SHIFT)では、ネットワークシステムにさまざまな課題を抱えていた。企業の急成長にインフラが十分に対応できていないことで起こるネットワークの遅延、セキュリティリスク、さまざまな働き方への対応遅延による生産性低下、それに伴う情報システム部の負荷増大などである。これらを解決するため、アルテリア・ネットワークス株式会社(以下アルテリア)では既存ベンダーとも協力し、ネットワークを更改した。

業務上の重要ポイント

アルテリアにとっては、ノウハウも経験も豊富なネットワーク技術だけでなく、経験の少ないクラウドやセキュリティ技術などの導入も不可欠なプロジェクトだった。そのため数多くの協業ベンダーと交渉や調整を行い、開発にあたっては機能ごとにリリースする柔軟な手法なども取り入れ、予定通り目標を達成した。

理想のITインフラを追求、
課題の解決をめざす

 2005年創業のSHIFTはソフトウェアの品質保証を事業とする企業だ。同社はアルテリアの回線(導入当時はUCOM回線)を導入していたが、2018年、その更改時期を迎え、これを機に多くの課題を解決しようとしていた。SHIFTは、品質保証事業に舵をきった翌年の2010年から現在に至るまで、10期にわたり毎年1.5倍以上の売上成長を遂げている。この急成長に伴い、組織も拡大、トラフィックも急増したが、それにITインフラが追いつかず、さまざまな課題が表面化していたのである。
 これに対応して営業の野村はSEの内藤とともに商談を重ねていた。「情報システム部の長であるSHIFTの担当者には、上場企業にふさわしいITインフラについての理想像がありました。求めていたのは、それをワンストップで提供し、今後のさらなる企業成長に合わせて課題をともに解決してくれるパートナー企業でした」(野村)。
 2018年の8月にRFP(提案依頼書)が開示され、アルテリアは本格的な提案活動に入った。野村とともにSHIFTに足を運んでいたSEの小室は、初めて先方から要件を聞いたとき、解決するべき課題が多岐に渡り、その規模が大きいことに驚いた。そこでアルテリア社内で、サービス企画部門のメンバー、SEなどを集めて検討することにした。
 このミーティングでは最初、消極的な意見が圧倒的に多かった。この案件はアルテリアのサービス単独では実現できず、要望をすべて満たすには他のベンダーも巻き込んで進めなくてはならない。しかしアルテリアにはそうしたプロジェクト実績がほとんどなかったことが大きな理由だった。
 そのとき、「できる、提案しよう」と突破口を開いたのが内藤だった。「実績がないとは言っても、先方の要望は決して特殊ではなかったし、企業として当然整備すべきインフラだと思いました。SHIFTは数千人の社員を抱える企業であり、この規模はまだまだ拡大傾向にありました。しかし、当時はそのネットワークは弱く、セキュリティ対策もその成長スピードを考えると充分なものとはいえませんでした。これを解決することは我々の仕事だと感じました」(内藤)。

未知の分野に挑戦しながら
プロジェクトを推進

 SHIFTの抱える課題には、(1)利用者の急増/業務の多様性に追従しないネットワーク・インフラを保有するリスク、(2)運用に過度に依存したセキュリティ基盤 (3)働き方に影響を与える、場所に依存したセキュリティ対策、(4)管理部門である情報システム部の業務の負荷増大により発生する運用リスク、などがあった。

 「これらに対して、最新のセキュリティやクラウド環境の導入、端末のアカウントの一括管理、ネットワークの高帯域化・二重化、リモートアクセス環境、マネージドサービスで解決をはかろうと考えました」(内藤)。
 アルテリアは、ネットワークそのものには十分な経験がある。またマネージドサービスはアルテリアの既存サービスにもあり、強みにもなっている。しかしアルテリアのサービスラインナップに無い、Azureクラウド内のサーバ構築・保守運用を始め、同じくアルテリアのサービスラインナップに無いセキュリティ製品、そのセキュリティ製品の特長を活かしたリモートアクセス構築など、アルテリアのサービスの垣根を超えた専門知識がこれまで経験してきた他プロジェクトに比べ各段に必要だった。従って複数のベンダーと協力して実施することが前提となる。
 こうして複数のベンダーと協力し、詳細に作成された提案書は高く評価された。
「SHIFTの要望にすべて応えていること、新しいインフラへの移行プランまで詳細に説明されていることが大きなポイントになったと思います」(野村)。
 正式受注となったのは2018年11月。プロジェクトマネージャーは内藤に任された。
 実際のプロジェクトに入ってからも苦労は多かった。
まず、複数のベンダーの協力が不可欠であることだ。野村は持ち前の交渉力で、提案段階でベンダーから有益な情報と協力を引き出していた。「ベンダーの数も多く、既存のシステムなどをクラウド化するうえでの注意点を確認しなくてはなりませんでした。これはかなり大変なことでした」(野村)。
 アルテリアがプロジェクトを担うには、SHIFTの要望と各種のベンダーとをつなぐ役割を果たさなくてはならない。それにはネットワーク以外の技術の知識も必要になる。「仕事を進めながら勉強し、理解していかなくてはなりません。おかげでクラウドにおけるサーバ構築の手法など、得た知識も多かったですね」(内藤)。

 構築フェーズに入っても、ベンダーとの密接な協力は重要だった。「構築ではSHIFTからもベンダーからもより具体的な要望や指示が出てきます。コミュニケーションに留意しながら、それを理解し、両方を橋渡ししていきました」(小室)。その一例がリモートアクセスである。SHIFTには、アルバイト/派遣/正社員、社内勤務/客先常駐など、多種多様な働き方の形態がありました。それらに対応するネットワークへのアクセス環境をどう構築していけばよいのか。これにはかなり苦労しました」(小室)。
 さらに、プロジェクト進行中でも業務拠点の収容人数、利用される端末の数や種類、業務や勤務の形態に変化があった。こうした業務条件の変化にあわせて、課題を解決しつつ、プロジェクトをまとめ上げるためのゴール設定が難しかった。「そこでお客様と相談のうえ、ゴールは暫定的に設定し、完成した部分から導入していく。その後、運用しつつ、修正していく方針を取りました」(内藤)。
 システム開発では、ゴールを明確に決めて全体を管理し、順番通り開発していくやりかたをウォーターフォール開発と呼ぶ。これに対し、近年出てきた手法が、おおまかに仕様を決めて小単位ごとに開発し、修正していくアジャイル開発である。これは、より迅速、柔軟に変化に対応できることから開発の主流になりつつある。今回のプロジェクトはこのアジャイル開発に似た発想で進めたと言えよう。

確かな成果と経験を得て、
次の飛躍へつなぐ

 プロジェクト推進中、野村は常にスケジュールと予算に気を配っていた。同時に営業と技術の連携がスムーズに行くように信頼関係を重視して仕事を進めていた。「野村さんは技術者にとっても相談しやすく、全体をうまく牽引してくれました」(内藤)。
 こうしてチーム全体の力が発揮された結果、プロジェクトは予定通り進み、2019年9月、すべての検収が完了した。「最終的に7拠点のネットワーク切り替えが必要でした。それを終えてようやく一息ついた気がしました」(小室)。
 SHIFTからの評価も極めて高く、今後につながる成果となった。このプロジェクトは単に規模が大きいだけでなく、ネットワークにつながる多様な機能やシステムも含めて開発した点で大きな意味があった。ネットワークという“線”だけでなく、その先の“面”まで手がけることは、より高度な競争力につながるからである。
 このプロジェクトの成功を糧に、野村は、営業と技術者(SE)の連携によって、さらに社の成長につながる大型案件の受注をめざしている。
 内藤は、新たな知識やプロジェクトマネジメントの経験を得たことが、今後のプロジェクトに活用できると感じている。また小室にとっては今まで手がけた中でも最大のプロジェクトであり、自信につながった。小室は現在、新規事業開発部に所属しているため、今回の経験が、新しいサービスや協業を考えるうえで役立つことを期待している。

SHIFT

SHIFTは、ソフトウェアの品質保証・テストの専門企業です。
「無駄をなくしたスマートな社会の実現」を目指し、金融機関などのエンタープライズ領域におけるミッションクリティカルな基幹システムから、ECサイト、スマートフォン向けのアプリ・ゲーム検証まで幅広い分野のお
客様に対する品質保証サービスを手掛けています。
システム設計に対するコンサルティングや、開発の上流域における企画、要件定義、テスト自動化、
システムの脆弱性対策など、品質を軸に幅広いご支援を行っています。